toggle
全国憲法研究会は、約500名の会員を擁する憲法学研究者の学会です。
2021-04-06

2021年度 研究集会

全国憲法研究会では、毎年春(5月)と秋(10月)の年2回、年間テーマを立てた研究集会を開催しております。

これまでの研究集会テーマ 一覧 →

➢ 2021年度

年間テーマ:「危機の『常態化』と立憲主義」

 憲法学が国家緊急権の問題を論じる場合「立憲主義の停止」は一時的なものであり、一定期間内に「平時の憲法」への回復が実現することが前提とされてきた。 しかし、21世紀に入って以降、2001年の米国同時多発テロ事件、2011年の東日本大震災と原発事故、そして、現在の新型コロナウィルス感染問題というように、日本の政治・経済に深刻な影響を及ぼす「危機」が 10年周期で起きており、「危機の常態化」と称すべき事態が生じている。 その一方で「危機の常態化」と並行して「平時の憲法」の社会的な運営基盤の脆弱化が進行しているのではないかとの懸念がある。2016年の英国EU離脱レファレンダムと米国大統領選挙は、左右のポピュリズム勢力の台頭を背景としつつ、従来のリベラル・デモクラシーの枠内での政治的妥協が著しく困難になったことを示している。 そして、新型コロナウィルス感染問題への対応の中で、「リベラル・デモクラシーは危機に対して脆弱ではないか」との疑念も生じている。

 もちろん、「危機の常態化」を認識のレベルで認めるか否かも学問的に検証すべき事柄であるし、仮に認識レベルで変化を認めたとしても、そのことから直ちに、従来の憲法学の議論のあり方を反省すべきという結論になるわけではない。ただし、テロ・災害・パンデミック等の「緊急事態=立憲主義に外在する危機」の持続と、グローバル化の進展の下での各国内における社会的亀裂の深刻化を背景とするリベラル・デモクラシーの支持基盤の狭隘化(=立憲主義に内在する危機)が同時進行する現在、緊急事態の問題を広く「立憲主義の危機」の問題として深く検討することは、本学会の総会企画に相応しいテーマであると考える。

春季研究集会
テーマ:「危機の『常態化』と立憲主義:緊急事態と憲法・憲法学」

日時:2021年5月15日(土) 12:30~17:00
会場:オンライン開催(参加方法の詳細は会員宛てにメールにて告知)

報告者・報告タイトル(敬称略)

・赤坂 正浩(法政大学)「国家緊急権論の現状と課題」
・奥村 公輔(成城大学)「フランスにおける緊急事態と憲法・憲法学」
・石塚 迅(山梨大学・ゲスト)「中国における緊急事態と憲法・憲法学」
・塚田 哲之(神戸学院大学)「パンデミック対応と憲法・憲法学」

司会:愛敬 浩二(早稲田大学)、小澤 隆一(東京慈恵会医科大学)
企画実行委員:愛敬 浩二(早稲田大学)、植松 健一(立命館大学)
       大藤 紀子(獨協大学)、山崎 友也(金沢大学)

秋季研究総会
テーマ:「危機の『常態化』と立憲主義:『立憲主義の危機』と憲法・憲法学」

関連記事