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全国憲法研究会は、約400名の会員を擁する憲法学研究者の学会です。
2020-04-07

2019年度 研究集会

毎年、春と秋(5月、10月)の年2回、年間テーマを立てた研究集会を開催しております。

これまでの研究集会テーマ 一覧

➢ 2019年度

年間テーマ:「憲法学における国家と公共」

【企画趣旨】
 施行から70年以上にわたる日本国憲法の歴史は、改憲論と共に歩んだ歴史でもある。その改憲論の底流に一貫して流れているのは「私」に対する「公」の優位であり、そのため、戦後憲法学は一方でかような「公の過剰」に向き合うことを余儀なくされてきた。ところが他方で、とりわけ近時の日本――それは偶然にも「平成」と呼ばれる時代とも少なからず重なるであろう――において顕著であるのは、公共体(res publica/Gemeinwesen)としての国家が「私」の前に後退を続けるという事態であったように思われる。そして、かかる「公共」の〈民営化=privatization〉は、個人の生存や公正な統治といった憲法上の価値を脅かしながら、戦後日本における憲法体制を確実に変革していったのではないだろうか。このように錯綜する「国家と公共」に関する議論を検証することは、政権与党の憲法草案が「公益及び公の秩序」を強調しつつ「長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く」という国家像を提唱していることとの対比において、憲法学にとっての課題でもあると言えよう。
 そこで、可能であれば現実政治の動向をも念頭に置きながら、「憲法学における国家と公共」をテーマに報告をお願いしたい。具体的には、春には理論的な諸問題を、秋には現代日本における実践的な諸問題を取り上げ、それぞれ検討を加えることとしたい。

秋季研究総会
テーマ:「憲法学における国家と公共――実践的諸問題について」

日時:2019年10月14日(月・祝)9:30~17:00
会場:関西大学千里山キャンパス・尚文館1階マルチメディア AV 大ホール
   (〒564-8680 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号)
  ・会場へのアクセス

   https://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/access_senri.html

報告者・報告タイトル(敬称略)
・金井光生 (福島大学)  「 四畳半憲法大系:<ふるさと>とまつろわぬ鬼々の祝祭――<日本人>とは何か 」
・木村草太(首都大学東京)  「中央と地方の相剋――沖縄の観点から」
・前田健太郎(東京大学)  「『小さな政府』としての日本」
・清野幾久子(明治大学) 「 格差社会と勤労の権利――憲法における『公共』の一内容とその形成 」

司会:青井未帆(学習院 大学)、 西村裕一(北海道大学)
企画実行委員:西村裕一(委員長・北海道大学)、塚本俊之(香川大学)
       大河内美紀(名古屋大学)、江藤祥平 (上智大学)

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